成田凌さんインタビュー/愛がなんだ。
マイワールド全開、ナルシスト、自分勝手。
マモちゃんみたいな男の人に恋をしちゃったら大変だ。
遣い走りにされたりとか、人数合わせのために呼ばれたりとか、酔っぱらった夜だけ抱きしめられたりとか……都合のいい女としては重宝されるけれど、決して本命にはしてもらえない。
ただしテルコは不幸のようでいて、大好きな人のそばに居続けられる幸福な人のようにも思える。
愛って一体なんなんだ?
言語化するのが難しい、曖昧で不確かな感情がうずまく。
「愛がなんだ」というタイトルに納得。
☆☆☆
マモちゃんを演じた成田凌さんに「野性時代」の巻頭ページでインタビューさせていただきました。
成田さんは役に没頭しながらも、俯瞰で作品を見て、共演者のみならず監督にさえ内緒の芝居(マモちゃんならこうするのでは?といった動き)をしていたシーンがあるそうだ。
なかなかの策士。
たくさんの質問をメモしていったけれど、ノートに目を落とすことはなかった。
質問する間もなく、成田さんが熱い想いを語ってくれたから。
質疑応答じゃなく、ちゃんとした会話。
そういう掛け合いが最高に楽しく、ライターでよかったと思える瞬間だ。
さらに、原作者の角田光代さんと、監督の今泉力哉さんの対談もまとめさせていただいた。
成田さんが語っていたことのアンサーではないけれど、監督や原作者の声も聞けて、ますます世界に浸れた気がする。
本当によい仕事だった。
「愛がなんだ」はいつかもう1度、観たい映画。
そのときは「愛」という概念について、いまより理解できるようになっていたいものだ。