近所にあるお気入り。
雨上がりの公園の水たまりが必ずできる原っぱとか、いつもヒヨドリが休憩している高い塀とか、銭湯のえんとつとか、工事現場からのぞく桜の枝とか、お向かいのマンションの屋上にある地球儀みたいな貯水タンクとか、スーパーのレジにいるシャイすぎてなかなか目が合わない髪の毛のはねたお兄さんとか、売れてなさそうな八百屋の店先でひなたぼっこしている店主のおじいちゃんとか、図書館に向かう坂道から見える空の形とか、屋根がありえないほど斜めにデザインされたおしゃれなマンションとか、某ビルから眺める夕日とか……。
通るたびに、ああ、好きだなーと思う。
去年、あるコミニティに所属したことで、ますます近所はわたしにとって大切な場所になってきた。
たくさんの出会いがあって、これまで出会えなかったタイプの知り合いもたくさんできた。
昨日、そのうちのひとりが「子どもが産まれたよ」と連絡をくれた。
写真を見ると、かわいいかわいい女の子だった。
父とのお別れで寂しくなった心に、ほんのり灯りがともるような温かさを感じた。
「乳母になるから、困ったときはいつでも連絡してね!」とメッセージを送った。
自転車を飛ばせば10分の場所にいて、すぐに駆けつけられるのもご近所さんの強み。
そうして彼女の家まで自転車をこぐうちに、またお気に入りの場所が増えていったらいいなと思う。
▼お気に入りの某ビルから見る夕日は、本当にときどき、絵はがきみたいにきれいです。