映画『バケモノの子』関連のお仕事。
大ヒット中ですが、もうご覧になりましたか?
「渋谷」と「渋天街(じゅうてんがい)」というパラレルワールドを舞台に、人間の少年と“バケモノ”と呼ばれる人々(?)が交流する物語。
いえもっと正確にいうと、家族を亡くした少年・九太(きゅうた)と、一匹狼的に生きてきた“クマのバケモノ”熊徹(くまてつ)が師弟関係のような、親子のような関係を築いていく物語です。
へその緒でつながっていた母と子どもの間には、ほかの誰にもわからないような「目に見えない絆」がある気がするけれど、父と息子の関係性って積み重ねていく日々が作っていくものだと思います。
実際には血のつながりがない九太と熊徹も、だんだん本当の父子みたいになっていく……。その過程がとてもいいんです。
人と人が結びついていくさまは、恋愛じゃなくてもキュンとさせられます。
そしてこうも思いました。
男には女が持ち合わせていない闘争心(本能として備わっているもの)があって、何か(それはときに、権力だったり、女だったり、大義名分だったり、友情だったり)のために闘いたくなる生き物なんだろうな、と。
「なんでそんなことでムダな体力使うの?」ってことで殴り合ったりするじゃないですか?男の人って(笑)。
あれってもう、ただただ、本能なんだろうなあと思うわけです。
意図的かどうかはわかりませんが、細田監督もそんな男たちの「男らしさ」や「男くささ」を描こうとしたのかもしれません。
とはいえ、もちろん女性が観ても十分楽しめますよ。ロードムービー的な側面もあるので、旅心がくすぐられるんです。
また、買い物や食事で渋谷に行くことの多いわたしにとって、「あ!ここってあのお店の前あたりだ!」など、見覚えのある場所がリアルに描写されたシーンではテンションが上がりました。
「渋谷なんて行ったことないよー」というかたでも、スクランブル交差点など「THE渋谷」な風景が映し出されるので、興味深く見ることができるのではないでしょうか。
今回、そんな話題作『バケモノの子』にまつわるお仕事を、ふたつ担当させていただきました。
▼ひとつは「小説 野性時代(8月号)」にて、九太の少年期の声優を務めた宮﨑あおいさんをインタビュー。
あおいちゃん、本当にかわいかったー!!!
「オレ、ぜったいにあおいちゃんと結婚する!!!」と宣言していた友人のAくんは元気かなあ? と、ふと思い出しながら(笑)いろんな話を聞いてきましたよ。
あおいちゃんも中学生のころはよく渋谷で遊んだそうです。
パルコでお買い物して、プリクラ撮って、パスタを食べて……。プリクラこそ撮らないけれど、あまりわたしの休日と変わらないじゃん!
もしかしたら、スペイン坂あたりですれ違っていかもしれないなあ、なんて楽しい妄想が広がりました。
▼ふたつ目は「バケモノの子 公式ガイド」(角川書店刊)のライティング。ほんの少しだけですが、お手伝いさせていただきました。
映画を観てから読むか、読んでから観るか……。
どちらにしても、映像世界をより深く、豊かなものにしてくれるガイドブックですので、ぜひとも手にしてくださいませ!