さみしさ、サヨナラ。
台所に立つ母の後ろから、「ねーねー、これどういう意味?」と聞いてみたり、
学校の先生に授業とはまったく関係のないことを「どうして○○は○○なんですか?」と聞いてみたり。
小さなことから、大きなことまで(子どもの自分にとって、という意味で)本当によく聞いていた。
たぶん、聞かれる側からすると、うっとうしい存在だったと思う。
あれこれ考えずにはいられない性分なのは大人になってからも変わらずだけど、
もう誰かに「ねーねー」としつこく聞くことはない。
いや、ちょっとした悩みというか疑問なんかは、
気の置けない友人にポロッとこぼしているにはいるんだけど。
でも哲学的というか禅問答的な質問をするのは、高校時代で終わりにした。
誰かに聞くより、本で読むほうが早いと気づいたから。
早いというか、誰かに迷惑をかけずに自分自身を納得させることができると知ったから。
少し前、僧侶であり文筆家でもある小池龍之介さんの『貧乏入門』を読んで以来、
彼の生き方や説いている内容が気になり、いろんな書籍をあたっている。
ちなみに、『貧乏入門』では物質にとらわれない生き方の提案が綴られていた。
携帯も持たず、洋服も買わないという小池さんのマネはできないけれど、
本当に必要なものしか持たないという考えには大賛成だ。
人だってそう。本当に必要な人を見極め、大切にしたいと思う。
時間は有限なのだから。
最近読み始めた本だと、
評論家の宮崎哲弥(みやざき・てつや)さんとの対談を文章化した、
『さみしさサヨナラ会議』(角川書店、1470円)が秀逸。
わたしが知りたくて知りたくて仕方なかったことが、ギュッと詰まっている。
人とのつながり方。
恋愛や結婚に対する考え方。
孤独との向き合い方。
まだ読み終えてないけど、読み始めてすぐに救われた気持ちになった。
「自分の宇宙と他人の宇宙は独立していて、決してつながってはいない。
それを理解して、孤独を受け入れていけば、寂しい寂しいとジタバタしなくてすむ」
知っているのと、知らないのとでは大違い。
この本と出合えてよかった! 心からそう思う。
小池さんと宮崎さんに「ありがとう」といいたい。
そして、続きを読むのがとても楽しみです。
小池さんのメッセージも聴ける特設サイトはコチラ。